そういう男

先週末、午後のルーチンワークをこなしている時に
突然のcallががあり、電話を取ってみると病棟のNsから「先生、今お暇ですか?」と聞かれたので、
「いや、もう少しで患者ご家族とムンテラが…」と返事を終えるのが早いか
CPAです!手伝って下さい!」と問答無用な語気で一蹴された


それなら「お暇ですか?」なんて聞くなよ…と思ったけど、
まぁ彼女なりに気を遣ったんやろぅ。


パタパタと病棟に駆け付けると
急変した患者さんの周りに医者や看護師が群がっており、
心臓マッサージしながら挿管を試みようとしてたり、点滴取ろうとしてたり忙しそう

ふと見渡したところ彼がいない。

そう、彼とは同期の1人やけど、彼が当直すると急患が増え、
持ち患者さんは重症化していく不思議な運命(笑)
常に患者さんに全力投球で、4月に一緒に赴任してから
挿管数回、CVカテ挿入数回、透析や輸血…と本当に神経内科なのかというぐらい
アグレッシブな治療をしていくので、僕らの中では嵐の男として呼ばれている。
ちなみに僕は上記の手技をここに来て一度もしていない。

そんな彼が、こんな救命処置でバタバタしている時にいないとは意外。

お手伝いしながらそこにいたNsに尋ねると、今回は連絡していないらしい。
ふーん、そうなんか…

と心臓マッサージを手伝ってると、病室の扉の向こうから


ニョッキ!とその彼が顔を出しているところを目撃。
そして、室内が慌ただしく動き回っているのを確認して一言、


「やっぱりな」



やっぱりってなんだ?



誰の連絡も受けずとも急変の「におい」を嗅ぎ付け、満を持して登場するあたり、
やっぱり嵐の男と呼ぶにふさわしい。

天性の何かを持ってるんやろーなーと半ば苦笑しつつ理解した

その後、彼のおかげもあって見事患者さんも復活し、めでたしめでたしであった。